1996-09-10 Khunjerab

クンジュラーブ峠

中国-パキスタンの国境、クンジュラーブ峠を目指す

北京時間8:00起床。ここと北京の時差は3時間あるからまだ真っ暗だ。思えば時差3時間分陸路で西に来たわけだ。そして今日、国境を越える。3人に別れを告げバス停に向かいます。途中日本人の女の子に会うと今日峠を越えると言う。すごいなあ、女の子一人で、しかもパキまで。

パミール高原、野生の駱駝が遊ぶ

10:00過ぎにバスが出発。町をでるとすぐにこのバスが走っているただ一本の道だけになる。パミール高原だ。右手に川が流れている。結構大きな川だ。きれいな水だ。そしてその周りをときおり湿地帯が囲む。周りは台地上の高原,平均標高3000mだ。

こんなところにも人は住んでる。この景色とそこに点在して生活している人々。なぜか感動的だ。バスの方を見て立ち止まる少年は何を考えているのだろう。動物は人と一緒に生活している。ロバ、馬、羊。そしてこの台地にラクダがいるのだ。目を疑う、野ラクダなんだろうか?なんて言っていいかわからない,不思議な光景だ。

Ktrips1-3 パキスタン編

バスは徐々に高度を上げる。だんだん頭の中が変になってくる。軽い高山病だ。薄れる意識の中で、その実感が伝わる。そして登りきったところで少しなだらかになり見通しが良くなる。先に小さな碑が見える。峠だ。国境だ。

バスを降りる。少し頭がもうろうとする。ヒゲをたくわえたパキ側の国境警備隊のおじさんが叫ぶ「Welcome to Pakistan!!」

このおじさんと中国とパキスタンの国旗の前で写真をパチリ。とにかくこの旅のハイライトだ。感動もひとしおだ。

中国-パキスタン国境 高山病で頭は痛いがなんだか笑顔

国境を越える道はいきなり下りになる。両側は険しい山、そして深い谷。カラコルム山脈の中を下っているわけだ。

さすがK.K.H.(カラコルム・ハイウェイ),道はいい。ジェットコースターなみのスピードで谷をかけおりる。谷を流れる川は国境までは進行方向逆側大陸のほうに流れていたのに対し、峠を越えると進行方向に流れている。海を目指しているんだ。峠を越えたんだ。

その実感と共に少し眠りにつく。おっとその前に時計を3時間戻さないと。

結局パキ時間2時半に入国管理局のある町スストまで着く。そこから乗り合いバスに揺られること3時間。途中パスーで日本人の女の子山本さんに別れを告げる。

あの伝説の風の谷まで来た 牛が(笑顔で)迎える

そして降り立ったのはガニシュ。

そこから更に歩きで山を登ること30分。その視界に開けたのはまぎれもない伝説の「風の谷」

ここは旧フンザ王国の首府カリーマバード。映画「風の谷のナウシカ」のモデルにもなり,不老長寿の村でも有名なところである。美しい。すばらしい。夕焼けに染まる山とその下に広がる小さな村。

人はパキスタン系よりもくどくなくどちらかというとカザフスタン系。そして女の子はかわいい。そこにナウシカがいる。

HotelはHUNZA INN

これが私の求めていた宿だ。お湯はでない、電気はない、暗くなったらろうそくに灯をともすだけ。しかし窓を開ければ標高7000mのナンガーバルバットが一望だ。うーん、何もいらない。

それにしても疲れた。おなかもへった。っていうところに、「勝新」似の宿の親父がDinner!って言ってる。下の食堂に下りるとランタンの明かりの中質素な食事がでる。なんか家族みたいでいい感じだ。デザートはプリン。これがうまかった。

フンザ谷からの眺め、コスモスも咲き誇る

けっこう日本人もいる。同じ部屋のU.K.さん。隣の部屋のマサル君。彼は卒業と同時に結婚したらしくこれが最後の旅という。

そしてあとから来たすごい迫力の組長。その他、ヒゲさん、Quickさんなど。みんな色んな話をする。インドのこと、パキのこと、中国のこと、みんなすごいとこ行ってるねえ。でも共通した意見は、ここフンザは素晴らしい。何日でも居たくなるってこと。

その後外にでる。満天の星だ。すごい流れ星を見てしまった。そこにいたカズミさんはもう一週間目らしい。あとオカマのベルギー人も。

色んなことがあり過ぎた。忘れられない一日だ。ろうそくが消える頃眠りにつく。


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